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読みもの

平安の雅なお月見、いかがでしょうか?

2015.9.22

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tsukimi1

「月月に月見る月は多けれど、月見る月はこの月の月」
まるで謎々のようなこの和歌。月が8回も使われています。
誰が作ったともわからないこの歌は、旧暦8回目の月、中秋の名月を詠っていると言われています。

「花鳥風月」という言葉があるように、日本には昔から月を愛でる習慣がありました。
その中でも、特に、旧暦8月15日の中秋の名月は格別。
平安貴族は、現在の京都大覚寺の大沢池で、管弦を興じ、和歌を詠み、お月見を楽しみました。

私たちがお月見をするとき、空に浮かぶ月を見上げるのが普通ですよね。
ところが、平安の人々のお月見は、少し変わっています。
直接、月を見上げるのではなく、大沢池に月を映し込み、水面に照り輝く月の姿を愛でるというのが、平安貴族の乙なお月見。

天上の月と水上の月。
想像しただけでも美しい二つの月を肴に呑むお酒は、どんなにか旨かったことでしょうね。

2015年の中秋の名月は、9月27日。
月の出は17時ごろ、南中は23時ごろです。
ススキにお団子、里芋…そして、忘れてはいけないのが、美味しい秋の月見酒。

いつもは煌々と光る電気を消し、この日ばかりは、
テレビもパソコンもスマートフォンもみんな遠ざけてみてください。
静かな静かな秋の夜に、美しい虫の音が聞こえてきました。
ちょっと広めの盃に旨い日本酒を注ぎ入れ、平安貴族ではないけれど、そっと月を映し込んで…。

今宵のお酒は月の味。
神秘でまあるい粋な味。
平安の雅な観月の宴を思わせる、今年はそんなお月見、いかがでしょうか。

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