待ちに待った春。
やはり春は待ち遠しいものです。
そして、春は日本酒に合う食材の季節でもあります。
これから旬を迎える日本酒にあう食材、白鹿オススメの食材をご紹介します。
春の白身魚の代表格、さより。
「細魚」とあてる漢字の通り、まるで針のように細く尖った下あごとスラっとした体が特徴的な魚です。
品があり、あっさりとしたその味は、天麩羅にしてよし、おすましに入れてよし。
特に、刺身にして戴くと、その何とも美しい身の輝きに、舌だけでなく、目も満たされる美味しく嬉しい春の海の幸です。
さよりは、まさに、冬の試練に耐えた私たち日本人へのご褒美のような魚といえますね。
春の海の御馳走、海老。
春の海の御馳走といったら、もう一つ忘れてはならないのが、海老ではないでしょうか。
腰を曲げた長老さまのようにも見えるその姿から、「海老」という字が授けられ、長寿の象徴として、お祝いの席にも欠かすことのできない食材とされてきました。
静岡県の桜海老、富山県の白海老…。
そのほのかに甘い独特の味わいに、思わず舌鼓を打ってしまいますね。
旬のものを旬に戴く。
古来、私たち日本人が当たり前に行ってきた食文化が、今、栄養学の面でも非常に有意義だということがわかってきました。
確かに、最近は、養殖や温室栽培等の技術が進み、本来の旬とは違う季節にも、様々な食材を愉しむことができるようになりました。
けれども、本来、食材の栄養価が最も高くなるのは、旬のとき。
海や山、自然のパワーがその食べ物に宿る季節。
それこそが、日本人の大切にしてきた「旬」なのですね。
旬の食材を食卓に並べ、旨い日本酒を片手に、季節の訪れを感じると、いつの間にか思わず笑顔がほころびます。
森羅万象を呑み干したかのような幸福感は、決して儚い春の夜の夢では終わりません。